こんにちは
急に寒くなってきました。そんな本日11月7日は、暦の上では立冬だそうです。
ICUにも実は少しだけ暇な時期が存在します。それは気候の良い春と夏の一瞬のような気もしますが。
最近は病棟は穏やかでした。これは嵐の前の静けさ、と言えます。
寒い季節になると脳血管障害(脳卒中)や心筋梗塞が増加します。それに伴ってICUで管理される患者さんも突然増えてきます。
寒い時期でなくても、もちろん脳血管障害(脳卒中)や心筋梗塞は起こりえますが、寒くなると的面に増加してきます。増加する理由は、主に寒さが血管や血液循環に与える影響に関連しています。
以下に詳しい理由を解説します。
1. 血管の収縮
寒さが血管に直接的な影響を与える要因の一つは、血管の収縮です。低温環境にさらされると、体は体温を保持するために皮膚や末梢の血管を収縮させます。これにより、血圧が上昇し、血管壁にかかる負担も大きくなります。特に動脈硬化が進行している人は、血管がすでに狭く硬くなっているため、血管が詰まりやすく、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。
2. 血圧の急上昇
寒い時期に急激に温かい場所から寒い場所に移動するなどの温度変化は、血圧の急上昇を招きます。例えば、暖かい家から冷えた屋外に出たり、早朝に冷えたシャワーを浴びたりすると、血圧が急に上昇し、血管に負担がかかります。この血圧の急上昇は、脳卒中や心筋梗塞の引き金となることが多いです。
3. 血液の粘度の上昇
寒冷な環境にいると、血液の粘度が増加することが知られています。寒さは血液中の赤血球や血小板を固まりやすくし、血栓(血の塊)を形成しやすくします。これが血管を詰まらせる原因となり、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。特に、動脈硬化や高血圧、糖尿病を抱える人々は、血管の柔軟性が低下しているため、血栓ができやすくなります。
4. 自律神経の影響
寒さは自律神経にも影響を及ぼします。寒冷にさらされると、交感神経が優位に働き、アドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これにより心拍数が増加し、血圧も上昇します。心臓に負担がかかりやすくなるため、心筋梗塞のリスクが高まります。
5. 運動不足によるリスク
寒い季節は屋外活動が減り、運動不足になりがちです。運動不足は血流を悪化させ、血圧のコントロールも難しくなりがちです。特に高齢者にとっては、運動不足が血管の柔軟性をさらに低下させ、脳血管障害や心筋梗塞のリスク要因となります。
予防策
- 体を温かく保つ:屋外に出る際には防寒具をしっかり着用し、急激な温度変化を避けましょう。
- 血圧管理:特に高血圧の方は、寒い季節には血圧測定を行い、適切な治療を受けることが重要です。
- 適度な運動:寒い時期でも、室内での軽い運動やストレッチを行い、血流を促進しましょう。
これらを意識することで、寒い季節における脳血管障害や心筋梗塞のリスクを低減することができます。
健康は何よりも尊いです。
病気になって初めて気づくことも多いのかもしれませんが、大切な人のために、自分自身を守りたいですね。そんな私も運動不足、睡眠不足、過労、な日々を過ごしているような気がします。美味しいものを食べて今年の冬も乗り切っていきましょう〜!